ProductFPCの機能
インピーダンスコントロールFPC
インピーダンスコントロールが必要な信号線路(例)
シングルエンドインピーダンスコントロール
信号線路 | シングルエンドインピーダンス(例) |
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アンテナ回路 | 50Ω , 75Ω |
アナログ回路 | 50Ω , 75Ω |
差動インピーダンスコントロール
信号線路 | 差動インピーダンス |
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USB | 90Ω |
HDMI | 100Ω |
LVDS | 100Ω |
MIPI | 100Ω |
PCIe | 100Ω , 85Ω |
S-ATA | 100Ω |
フジクラプリントサーキットでは、「FPCの材料構成」と「実現したい回路インピーダンス値」をもとにシミュレーションを行い、 インピーダンス整合に最適なFPC回路デザインを提案することが可能です。
また、実際に試作したFPCの回路インピーダンス測定を行い、回路デザインの妥当性も検証しております。
構造
対応可能な信号伝送線路構造
- コプレーナ
- マイクロストリップ
- ストリップ
- 各種シールド材料付きの構造 など
断面構造 (差動伝送線路の例) | |
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コプレーナ線路 | 片面FPCで形成 |
マイクロストリップ 線路 |
両面FPCで形成
片面FPC+電磁シールド層で形成 |
ストリップ線路 |
3層FPCで形成
両面FPC+電磁シールド層で形成 |
低誘電(高周波 / 高速伝送)FPC
高周波/高速信号が流れる回路を持つFPCの場合、信号伝送の減衰を防ぐために絶縁体(ベースフィルム、カバーレイ、接着剤等)の高周波特性を考慮する必要があります。下図は、FPCの絶縁体の違いによる、高周波/高速信号の減衰を測定したグラフです。
フジクラプリントサーキットでは、さまざまな種類の高周波/高速伝送FPCを提案可能です。
60GHzアンテナFPC外観とその断面写真
高屈曲 FPC
FPCは、屈曲条件下で使用することが可能です。
これは、柔軟性の高いフィルムや銅箔などから作られていることによります。フジクラプリントサーキットでは、お客さまの使用条件に応じた高屈曲FPCを提案いたします。
[ 屈曲性能の例-1 ]
材料構成
- カバーレイフィルム:ポリイミド12.5um厚 + 接着剤
- ベースフィルム:ポリイミド 12.5um厚
試験方法
- MIT屈曲試験
[ 屈曲性能の例-2 ]
材料構成
- カバーレイフィルム:ポリイミド25um厚 + 接着剤
- ベースフィルム:ポリイミド25um厚 + 接着剤 + 銅箔35um厚
試験方法
- IPC屈曲試験(高温)
低反発FPC
表層の絶縁層に感光性ソルダーレジストを適用することで、従来のポリイミドフィルムに比べ柔軟性、加工性を向上させたFPCを提供できます。これにより、軽薄短小化される電子機器筐体への組み込み作業性の向上や、追従性を必要とする機器(ウエアラブル機器等)の品質向上に貢献します。
高放熱FPC
FPCにおいてLED等の発熱部品を実装する場合、部品の熱を逃がすため放熱構造が必要となります。一般的には部品実装部の裏面に金属補強板を接着剤で貼り合わせる等の方法により放熱構造を実現しています。当社で開発した新構造では両面銅箔のCCL(銅張積層板)を用いて片面に配線層、反対面に厚導体の放熱層を設けることで金属補強板を使用することなく部品の放熱を行うことができます。
更に、CCLのベースフィルムに熱伝導性の高い材料を使用することで1mm厚の金属補強板を貼った場合と同等以上の放熱性能を70µmの放熱層で達成しました。この新構造は従来と同等以上の放熱性能をもちながら、薄型化、軽量化、コストダウンが望める上、折り曲げ加工も可能と様々な利点があり、今後、放熱が必要な様々なFPCへの応用を期待しています。
[ 従来構造と新構造のLED表面温度 ]
[ 放熱FPC構造模式図 ]
シールド付きFPC
機器の高機能化により、使用されるFPCには高密配線に高速信号が流れるようになっています。
また、機器の小型化により、信号線が近接して配線されるようになっています。
このような使用条件では、ノイズ対策が必要となる場合が多くみられます。
フジクラプリントサーキットでは、各種構造のシールド付きFPCを提案できます。
[ FPCの電界モニター(シミュレーション)の例 ]
絶縁体:25um厚、誘電率=3.3、誘電正接=0.003
断面方向
シールド無し | 片面シールド | 両面シールド |
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上下両方向に電界が漏出 |
上方向に電界が漏出しているが 強度は減少 |
電界の漏出なし |
[ シールド付きFPCの構造(例) ]
断面構造 | |
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片面シールド |
両面FPCで形成
片面FPC+電磁シールド層で形成 |
両面シールド |
3層FPCで形成
両面FPC+電磁シールド層で形成 |
ヒータFPC
FPCによる無線受電コイルとヒータを一体化したワイヤレスヒータを開発しました。
自動車に搭載されるセンサには、冬季の結露や着雪による性能の低下を防止する目的でヒータが搭載されますが、このヒータに当社開発品を採用した場合、給電ケーブル接続が不要となり、自動車メーカの組立作業の簡易化に貢献します。
また、コイル部も薄く柔軟性があり、ヒータ部も自由に形状や温度分布の設計をすることができるため、顧客要望に沿った提案が可能です。ヒータ性能に大きく影響する受電コイルの設計に当たっては、業界で最も薄型で高性能なコイル特性をFPCで実現しています。本開発品のもう一つの特長は、コイルとヒータをシームレスで一体成型することにより、信頼性が高く耐水性にも優れている点です。この特徴を活かし、今後ウェアラブル機器や医療機器などの成長分野への応用も期待できます。
当社開発品 | リッツ線使用 従来コイル |
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製品厚 | 0.4mm | 1.3mm |
伝送出力 | 30W以上 | |
伝送効率 | 70%以上 |
厚銅FPC
従来よりも厚い銅箔を用いることで、大電流への対応や放熱性の向上を実現できます。フジクラプリントサーキットでは、厚さ150umの銅箔を用いたFPCを提供することが可能です。
詳細仕様は、お問い合わせください。